小児歯科

当院の院長は、日本歯科専門医機構認定小児歯科専門医・指導医の資格を保有しております。
乳歯の時、むし歯が多いから、永久歯もむし歯になってしまうのでは…と心配されている方、自分は、歯で苦労したから子どもの歯だけは守りたいと思っていらっしゃる方も多いと思います。
科学的根拠に基づいた技術とデータにより、予防をしていくことでお口の健康は守っていくことができますのでご安心ください。
通院回数はなるべく少なく

私自身の子育ての経験より、お子さんを治療に通わせるのは本当に大変なことと思います。
ですから一回でも通院回数が少なくなるように努めています。
しかし初めて歯医者さんにいらっしゃるお子さん、恐怖心を持っていらっしゃるお子さんには無理に治療をしないで慣れるトレーニングから段階的に進めていきますので、通院回数が増えることをご了承ください。
痛みを抑えた治療とわかりやすい説明
治療は無痛処置を原則としていますので、麻酔をすることになります。
麻酔と聞くと、「えっ注射をするのですか?」言われます。
勿論注射をすることになりますが、実はほとんどのお子さんが注射をされたことに気づかず魔法が掛かっていると思って帰ります。
その種明かしは、強力な表面麻酔薬や細い注射針を使用することにより痛みが感じられないようにしていること、さらに他の工夫をしているからです。
このように当院では、必要がある場合は麻酔注射をして無痛治療を行っていますが、来院される時には「注射するかもよー」というのだけは言わないでくださいね。
注射に関してはお子さんがすでに怖いイメージを持っていることが多いので、子どもに気づかれないようにして行いますが、注射以外の処置はTSD法(Tell Show Do法)といい、子どもに何をするか説明して(Tell)、使う道具を見せて(Show)、実際に行う(Do)という手順を踏みます。
子どもたちは手鏡を持って診療しているところを見ていますので、何をするかがわかり安心して治療を受けています。
診療している間、旺盛な好奇心から鏡で診療を見ているのもOK、お昼寝タイムと重なって眠いならば寝るのもOKです。
熟睡している間に治療が終わってしまうことも度々です。
お子さんが痛がらずに鏡を見ながら平気に治療をしているのを見て、驚かれる保護者の方が多いのは、実はこのようなわけなのです。
保護者の方は診療室で診療しているところをご覧になっていただいてもよろしいですし、お子さんが慣れてきて心配ないようでしたら、待合室でゆっくり雑誌でも読んでお過ごしください。
子育て期は、自分の時間はほとんどないと思います。
歯医者さんにいらした時くらいは、どうぞゆっくりお過ごしください。
むし歯のない健全な歯列へ

初めの1歩は 確実に治すことから
乳歯は永久歯にはえ換わるから少しくらいのむし歯は大丈夫、とは思わないでください。
乳歯は食物を噛み砕いて、体に必要な栄養をとりこむ役目の他に、永久歯がはえてくる場所取りをする大事な役割があります。
むし歯で歯の大きさが小さくなったり、抜歯して歯がなくなってしまったら、永久歯が生えてくる場所は減ってしまい、永久歯は並びきらなくなり、歯並びが悪くなる確率が高くなります。
また小さなむし歯なので痛くないから大丈夫と思って放置していると口の中のむし歯菌は増えてしまいます。
その悪い環境の中に永久歯がはえてくることになれば、はえてきたばかりの永久歯もむし歯になってしまいます。
むし歯予防の第一歩は確実に治し、口の中を健康な環境に保つことからです。
乳歯の時に20本むし歯だったお子さんでも、確実に治療して、その後しっかりと予防をされた方は、永久歯のむし歯は1本もありません。
確実な治療と予防することで健康な歯や口を目指すことはできます。
歯を大事にする治療

むし歯のでき始めは、むし歯菌が作った酸によって歯の表面が溶かされて白くなった状態です。
むし歯が進行すると着色して、穴があいてきます。
初期の段階のむし歯に対しては、精密な検査後に再石灰化治療を行い、できる限り歯を削らないようにしています。
自分でむし歯と気づくのは、黒くなっていたり、冷たいものがしみたり、穴が開いたところに食べ物が詰まったりしてからと思いますが、その前段階で発見できるのは定期健診です。
特に子どものむし歯は大人のむし歯と違って進行が早く、いっぺんに何本もむし歯になってしまう特徴があります。
ですから早期発見のために定期的にチェックアップされることをお勧めします。
次の1歩は 自分に合った予防をすること

むし歯は、むし歯菌がいるからできてしまうわけでも甘いお菓子を食べたからなってしまうものではなく、いろいろな要因がむし歯の発生に関わっている多因子疾患です。
さらにむし歯は、むし歯菌による感染症ですが、食習慣やなどの生活習慣がその発生に大きく関わっている生活習慣病でもあります。
そこで、当院では科学的根拠(エビデンス)に基づいて各個人に合わせた予防プログラムを立てて予防に取り組んでいます。
適切な歯みがき

お子さんの歯みがきは、お子さん自身でみがくことと保護者の方に仕上げみがきをしていただく2本立てです。
歯みがきの仕方は、お子さんの年齢や歯のはえ方により変わってきますので、当院ではお子さんのお口の状態や手の動かし方に合わせて、歯ブラシの選択とみがき方、歯磨剤やフロスの選択とその使い方を説明し、より効果的な予防を実践していただいています。
仕上げみがきは第一大臼歯が完全にはえてきてお子さん自身がみがけるようになる小学校2年生くらいまでお願いしていますが、仕上げみがきに関しても年齢やお口の状態に合わせて説明しています。
歯みがき練習の際や定期健診の時には、歯垢のついているところがわかるようにプラークを赤く染めて、歯みがきの指導を行い、最終的には自分でしっかり磨けることを目標としています。
シーラント

奥歯のくぼみや深い溝は十分な清掃が難しく、むし歯になりやすい部分ですので、そのくぼみや深い溝をシールして予防します。
健康保険適用の処置です。
フッ化物による歯面の強化

フッ化物歯面塗布
歯質の耐酸性を高めてむし歯に対する抵抗力をつけます。
永久歯がはえそろった2年後くらいまでは年に3~4回塗布することが望ましいです。
大田区在住の方には無料のフッ化物塗布券が配られていると思いますので、お持ちになってください。
歯みがき剤
フッ化物の効果を最大限に発揮できるような年齢や歯のはえ方に適した歯みがき剤の使い方を説明します。
フッ化物洗口法
就寝前にぶくぶくうがいを行っていただく洗口法です。
家で手軽にでき、むし歯予防効果の高い方法です。使い方について詳しくご説明しています。
むし歯菌の検査(齲蝕活動試験)
むし歯のリスク度を判定し、その結果を踏まえてより確実なむし歯予防プランを立てています。
検査方法は、ガムを5分間噛んでいただき唾液を採取し、細菌検査を行います。
また記入していただく5日間の食事アンケートによりむし歯のリスク度判定と噛み応えのある食事度を評価して、成長発育を考えた食生活の提案をいたします。(検査料5000円)
定期健診システム

子どもの頃の生活習慣が、その人の将来の健康を左右するとも言われています。
むし歯をチェックするだけでなく、成長段階に適したお口のケアの方法をお伝えいたします。
具体的内容は、歯と口腔全体の診査、かみ合わせ診査、歯みがき練習、クリーニング、フッ化物塗布です。
定期健診の間隔は、はえかわりが多くむし歯やかみ合わせのチェックが大切な小学校卒業までは3~4か月毎、勉強や部活で食生活が変わりそれまでとは違ったケアが必要になる中学生、高校生は夏休み・冬休み・春休みといった学校の休み毎の健診をお勧めします。
この頃になると保護者の方のケアではなくなり、自分任せになりますし、勉強や部活、塾が忙しく定期健診に行く時間がとりにくい時期になります。
しかし、12歳ころに、はえてくる第二大臼歯を小学校の高学年から中高生でむし歯にしてしまう傾向があるのは、厚生労働省の歯科疾患実態調査を見ても明らかです。
ですから一生使う大切な歯を守るために、定期的なチェックをして予防をしていくことをお勧めします。
幼児期には歯みがき習慣や食習慣はお父様、お母様が主体になって管理することになると思いますが、最終的には自分の健康は自ら守るという自立と自律の心が育って欲しいと思っております。
中高校生くらいから自分で電話をしてきて予約を取るお子さんも多く、その心が育っているのを感じ、嬉しい限りです。
開業当時幼かったお子さんも今や大学生や立派な社会人になって、すっかり見下ろされています。
大きく成長したイケメン大学生や社会人、きれいにお化粧してお会いするたびに美しくなっていくお嬢様方、定期健診の度にすくすくと成長していく姿を見るのは感無量です。
子どもたちの成長に負けないように私も気持ちだけは若さを保とう!と思っております。